太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「俺に火をつけたのは麻依だからね?」

なんて。
…絶対…男の目になってるよな、俺。

麻依の表情が照れているけど妖艶で…
たまらず麻依に噛みつく様にキスをした。

後頭部に右手を当て、左手で頬を包む。
たとえ嫌がっても顔を逸らせないように。


麻依の唇を舌と唇で愛撫する。

「んん……っはぁ……」

「麻依…かわいすぎ…はぁ」

ちゅるっと音を立てて口唇を離す。


「諒くん…」

「ね、諒って呼んで」

そんな俺のお願いに、麻依の小さな手が、俺の頬を撫でる。

「…諒…好き…」

その仕草と共に、妖艶な表情の濡れた唇から俺の名前が発せられると、ゾクリと俺の体が反応する。

「麻依…どこでそんなの覚えたの?俺の知らないところで誰かにそんなことしてたの?」

「こんなことも、こんな気持ちも諒が初めて…諒だけだよ…」

そして、また麻依からのキス。

「…諒…好きなの…どこへも行かないで…」

妖艶な表情で俺の唇を優しく噛む。


はぁ……麻依……
そんなに俺を求めてくれんの?

こんなに嬉しい事ってねぇよ…

でも…もっともっと…
俺を求めてほしい…


「麻依…ベッドに行こう」

「!」

あぁ!
何で急にかわいくなんの!?

ハッとして真っ赤で俯くとか、さっきの大人の顔でキスしてきた麻依はどこ行った!?

しかも…
「あっ!待って、シャワーしなきゃ!」
って、ここまできて今言う!?

もう…何なの、この可愛い女(ひと)は…
俺をどこまで溺れさせたら気が済むの…
ほんと可愛いすぎて困る…

だから。

「ダメ。もう我慢できない」

フッと笑って、麻依をお姫様抱っこした。

「きゃっ」

「ね、ベッド行こ?」

「ああぁ……うん…」

ああぁもおぉ…
だから真っ赤な顔で俯かないで。
俺の理性がきかなくなるっての。




――俺の寝室に麻依が入るのは初めて。


ベッドに麻依をそっと優しく下ろした。

俺の家の中はいたってシンプルで、それは寝室も同じ。
ベッドの縁に座った麻依が部屋を見渡す。

「スッキリしたお部屋だね」

「そうだね、要らないものは置かないから」

「ふふ、諒くんらしい」

「ん?諒〝くん〞?」

「あっ、そうだった。ごめんね」

「ふ、いいよ。そうそう、俺は必要なのしか置かないから…ずっと麻依を傍に置いておきたいな」

麻依の顔を覗き込み、頬を撫でて言う。

「諒…」

「ほんとだよ。ずっと傍にいてほしい…って何だかプロポーズみたいだけど。まぁそれはまたちゃんと正式にしたいから」

「えっ…うん…」

俺を直視したまま真っ赤になってる。
もぉ…可愛いな…


隣に座ると、麻依に向き直った。

「…麻依。俺、麻依の全部がほしい。もらってもいい?」

「…うん…私も諒がほしい…」

麻依が俯かずに俺を見て言ってくれた。
真っ赤な顔で…

「ありがとう、できるだけ優しくするから」

「…我慢しなくていいよ、諒のしたいようにして?…私は我慢してほしくないの」

「麻依…ありがとう。でも嫌だったらちゃんと言ってね」

「うん。諒…大好き」

麻依が抱きついてきた。

…甘えてくれてんだ…
って、すげぇ嬉しくなった。

「麻依は甘えんぼだなー」
なんて甘えさせておきながら、カッコつけて言ってみる。

「うん…諒だから…心から甘えたいし…甘えられるの」

…俺だから、ってことは他のヤツにはそうじゃなかったってことだよな。

それは素直に嬉しい。

「…じゃ、俺にとことん甘えて?」

返事をしようとして開いたその唇に、俺はまた噛みつくようにキス。


…はぁ、やっぱ麻依の唇が柔らかくてうますぎて止まんねぇ…

「はぁ…んん…」

時折こぼれる麻依の吐息が甘くて…
もっとそれが聞きたくて…
麻依の舌を味わうように貪るように、俺の舌を絡ませて愛撫する。


「ん…はぁ…はぁ…」

妖艶な顔でクタリと俺にもたれ掛かる麻依がたまらない。

脱がせたい…

そう思い麻依を見て、そこで改めて今日の服装が初めて見るものだと気付いた。

「今日の服、かわいいね。似合ってるよ」

「ありがとう。実は今日のために買ったんだ、ふふ」
妖艶を纏ったままの笑顔で答える。

「俺とのデートのためなんだ?」
なんてな。
ちょっと冗談めかして言ったけど。

「うん、可愛いって思ってほしくて…」

笑顔でそんな答えをされたらさ、タガだって簡単に外れちゃうっての。

「麻依はいつでも綺麗で可愛いよ。今日のかわいい服装の麻依も最高だけど、麻依の全部…俺に見せて?」


一気に真っ赤になったけど「ん…」ってちっちゃく頷いた。

あー、可愛い。

俺、可愛いって言い過ぎか?
でもいいよな、可愛いんだから。


慣れない手つきでワンピースの後ろのファスナーを下ろすと、まだキャミソール?ってのがあった。

レースがあしらわれたそれも麻依に似合っていたが、とりあえず上にスルリと脱がす。

まだ脱がしきれてないワンピースがはだけると麻依が胸の辺りを押さえた。

「どうして脱ぐのに押さえるの?」

「だ、だって恥ずかしい…」

「でも水着姿、見てるけど?」

「それとこれとは違うっていうか…」

ふ、いちいち可愛いんだから。
「冗談だよ」

「もぉ…」
なんて口を尖らせるのも可愛いくて。


それから、「それは自分で…」って赤い顔してあたふたする麻依をよそにストッキングをなんとか脱がせ、最後にワンピースを足元からするんと抜くと、皺にならないようハンガーに掛けておいた。


「ありがとう」
なんて言いながら、赤い顔で俯いて、腕をクロスさせて胸元を隠す仕草が煽ってるんだって、わからないかなぁ…もう。


俺がシャツを脱いでベッド脇のデスクに無造作に置くと、麻依が上半身に何も着ていない俺から目を逸らした。


「どした?」

「諒が…すごく男らしくてドキドキする…」

そう?なんて余裕ぶって返事したけど、実はかなりヤバい。
まだちょっとズボンは脱がないでおく。


「麻依、まだ身に付けてるよね?」

クッ、言われた麻依がアワアワしてる。

「下着も見せて?」

クロスさせてる腕を外すと、現れたのは白地にレースとリボンが施された上品で可愛らしいブラジャー。
胸の大きさと谷間の共演による色気が半端ない。


「麻依にすごく似合ってる。可愛いし綺麗だよ」

「ほんと?実はこれもなの」

「ん?あのワンピースと同じ理由ってこと?」

「うん…」

「そんなに俺に可愛いって思ってもらいたいんだ」

「うん…重い女だよね…ごめん」

「まさか!重いわけないじゃん。すげぇ嬉しいし、俺だって同じだよ?麻依にカッコいいとか素敵とか思われてたいもん」

「諒はいつだってカッコいいし素敵だよ?いつもそう思ってる」

「仕事中も?」

「…うん、真剣に取り組んでる姿が素敵で…。あっ、私もちゃんと集中しなきゃね」

「ハハッ、俺も一緒。仕事してても麻依に見惚れたり麻依のこと考えてるよ」

「諒…ありがと。ふふっ」

麻依の笑顔でまたスイッチが入る。


「麻依、こっち来て?」

ベッドの端に座る麻依を中央に呼び寄せると、ちょこちょこと四つん這いで来たから、くるりとひっくり返して仰向けにした。


「きゃっ、びっ…くりした」

「ふ、かわいい。そしてエロい」

「えっエロい!?」

「その姿で四つん這いはエロいから」

「あっごめん、全然気にしてなくて」

「だから、その下着も取るね」

「えっ?ちょ」

なんで〝だから〞なのか意味不明だけど、とにかく脱がしたくて。

背中に腕を回して、苦労の末に何とかホックを外し、腕からブラジャーを抜くとデスクに置いた。

「ごめんね、手間取っちゃった」

見ないで外すって難しいんだな…
んー、気恥ずかしい。

「ううん、逆に手慣れてたらそれはそれでちょっと気になるかも」

そっか、慣れてなくてよかったのか。

ホッとして、振り向いたら麻依は胸を腕で隠してた。

見せてよー、見たいよー…

「ねー何で隠すの?」

「恥ずかしい…電気消して…?」

「や」

「や、って。嫌なことはしないんじゃないの?」

「そうだけど、見れないのはやだ。麻依の全部を見たい。麻依のキレイな体も、感じてる麻依も全部。…ね、見せて?」

ちょっと甘えたように言ったけど、たぶん俺、男の顔。

麻依の表情もグッと変わった。

「…ん、いいよ」

「麻依…愛してる」

「私も…愛してる…諒」

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