太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
昼休みの時間、麻依が福田さんに『今、電話しても大丈夫?』ってメールしたら、ソッコーで電話がかかってきた。

麻依からスマホを受け取り、俺が出た。

「も『やだなぁ、羽倉から連絡くれるとか嬉しいじゃーん』

…早ぇよ、福田さん…「もしもし」くらい言わせてよ…どんだけ嬉しいのさ…

「もしもし?俺です佐伯です」

『…あぁ佐伯……はぁ?佐伯?何で』

…すっげーテンションだだ下がりですね…

「俺じゃ不満ですか?」

『当たり前じゃん』

「はぁ…麻依に替わります」

「あ、福田くん?」

『おぅ羽倉!なんだよいるんじゃん!どーしたぁ?』


…すっげーテンションだだ上がりですね…
ちょっと悲しいです…福田さん…


「昨日は心配かけてごめんね。色々と無事に済んでるから、そのご報告で連絡したの」

『そっか、横田と食事とかスゲー焦ったけど、無事で良かったよ、マジで』

「うん、ありがとう。あっ、諒がユリナさんといた件も解決してるし、私達もうまくいってるから」

『あーそう』

…うまくいってほしくなさそうな…


「福田さん、俺です」

『あー何』

冷た…
なんかすげぇ悲しいんですけど…

「何か誤解されたままだと嫌なんで言いますけど、俺は麻依を助けるためにラピスに行ったし、ユリナは横田さんとくっつけときましたから」


『…は?あの女と横田?何が何でそうなった?』

「まぁそれは追々。似た者同士だったってことですよ」

『何それ、面白そうな話じゃん!ちょ、近いうちにそっち行くから飲みながら聞かせろよ』

「ハハハ、いいですよ。都合つけて飲みましょう」

『うわー、佐伯から飲みに誘われる日が来るなんてな!嬉しいじゃねぇか。じゃ、とりあえず羽倉に代われ』

「あ、福田くん?替わったけど」

『おぅ、何か面白いことになったみたいだな?近い内に行くからよろしくな。みんなで飲もうぜ』

「そうだね」

『それと…うまくやってるみたいでよかったよ。俺は佐伯なら許す。あいつは弟みたいなもんだからな、フッ』

「…福田くんの方が弟みたいだけど」

『なっ…うるさい、そんなこという羽倉なんてプンだ』

「俺も…1社で指導頂いた義理があるとはいえ、ちょっと兄とは…」
横から口を挟む。

『あっ佐伯まで!いーもん、2人なんかプンだ』

「ハハハ。あっそうだ、俺の連絡先、教えときます。麻依にばかり連絡されるのも嫌なんで」

『いらね。羽倉に連絡するもん。プンだ』

「だからかわいくないんで。麻依から番号聞いて着信とメール入れときますんで」

『ちぇー、了解。んじゃ、また連絡するわ』

「はい、それでは」



「福田さん、いい人だよな。ハイ」
と麻依にスマホを返す。

「ふふっ、まぁ…そうだね」

「一緒に飲むの、楽しみだな」

俺が誘ったりこんな風に楽しみに思うなんて…福田さんがああいうのも当然だよな。

それは福田さんという気心の知れた人だから、というのもあるんだけど、その〝気心の知れた人〞がソレイユ以外で増えていく事にも驚いている。

これも全て麻依のおかげ。
麻依が俺の心を開くきっかけをたくさん作ってくれたから。

あぁ、なんて素敵で愛しい…
そう思ったら自然と抱きしめてた。

「麻依、大好き」

ぎゅうぎゅうと抱きしめる俺に「急にどしたの?」とびっくりしつつも、俺を抱きしめ返してくれる。


「私も大好き!」

俺は…麻依と一緒なら強くなれる。
そう思った。

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