本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
結婚するまで長らくひとり暮らしをしていた彼は、自分のために料理をする気になれず外食か弁当やパン、カップラーメンで食事をすませていたそうだ。
そのため炊飯器も鍋もなく、持っていた調理器具は電子レンジと電気ケトルのみだったらしい。
「健康が心配になる食生活ですね」
「そうだな。だから今の食生活は夢のようだ」
無表情でサラリと言われても、真琴の胸はしっかりと高鳴った。
(私と結婚してよかったと思ってくれている?)
嬉しくてにやけそうになるのをこらえる一方で、目はまな板の上に釘づけにされていた。
料理初心者のはずの修平が、見事な包丁捌きで丸鶏を手早く切り分けている。
胸肉、ササミ、手羽元、手羽中、手羽先、もも肉、砂肝、レバー、ハツ、セセリ、ボンジリに、軟骨ときれいにはがした皮まで、ものの五分足らずですぐに調理に入れるパーツに分けられてバットに並び、真琴は目を見張った。
「すごい。プロのお肉屋さんのようです」
思わず拍手をして、どうしてそんなに上手なのかと聞いたら、修平が手を洗いながら淡白に答える。
「外科医だからじゃないか。メスがあれば血管や神経まで分離できる」
「なるほど」
そのため炊飯器も鍋もなく、持っていた調理器具は電子レンジと電気ケトルのみだったらしい。
「健康が心配になる食生活ですね」
「そうだな。だから今の食生活は夢のようだ」
無表情でサラリと言われても、真琴の胸はしっかりと高鳴った。
(私と結婚してよかったと思ってくれている?)
嬉しくてにやけそうになるのをこらえる一方で、目はまな板の上に釘づけにされていた。
料理初心者のはずの修平が、見事な包丁捌きで丸鶏を手早く切り分けている。
胸肉、ササミ、手羽元、手羽中、手羽先、もも肉、砂肝、レバー、ハツ、セセリ、ボンジリに、軟骨ときれいにはがした皮まで、ものの五分足らずですぐに調理に入れるパーツに分けられてバットに並び、真琴は目を見張った。
「すごい。プロのお肉屋さんのようです」
思わず拍手をして、どうしてそんなに上手なのかと聞いたら、修平が手を洗いながら淡白に答える。
「外科医だからじゃないか。メスがあれば血管や神経まで分離できる」
「なるほど」