本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
「今日の外出の締めはボーリングです。修平さん、やったことがないんですよね?」

「ああ。真琴はよく来るのか?」

「いえ、私は高校生の時以来です。スポーツができそうに見られるんですけど、そんなことはなくて。特に球技は苦手です」

それなのになぜボーリングをしに来たのかと問いたげな目をされたが、真琴は気づかないふりをしてカウンターを指さした。

「まずは受付してシューズを借りましょう」

レーンの数は二十あり、今日は週の中日のためか他に五組の客しかいなかった。

自動販売機で飲み物を買ってボールを選び、最奥の二十番レーンに入る。

「修平さん、ルールはわかりますか?」

「二回投げてピンを十本倒す。一ゲームはそれを十回繰り返し、得点で競う」

「OKです。今日は勝負じゃなくてとも闘しましょう。ふたり合わせて五百点を達成するまで帰れないというのはどうですか?」

真琴もほぼ初心者のようなものなので、四ゲームほどプレイしないと五百点を超えられないのではないかと予想する。
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