本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
名前を尋ねたことはないが、白衣の胸元に刺繍されているのが目に着いた。
年齢は二十二、三くらいだろうか。
半月ほど前に入ったようだが、おどおどした不安そうなところがないので、看護師になり立ての新人ではないと思われる。
きっと他の病院に勤めていたのを辞めて、この病院に来たのだろう。
「いらっしゃいませ。お弁当、少ししか残っていないんです。選べるほどなくてすみません」
「いえいえ、残っているだけでありがたいです。花福さんのお弁当は美味しいから、売り切れでも仕方ないといつも思っています」
(なんていい人なの!)
文句ではなく褒めてくれた野々原に真琴は好感を持ち、兄の失恋を確信する。
(美人で性格もいい白衣の天使さん。こんなに素敵な女性ならすでに恋人がいると思う。頑張ってもお兄ちゃんには手の届かない相手だよ)
弁当の選択肢が少ない中で彼女はミックスフライ弁当を選んだ。
おにぎりをひとつサービスでつけたら、「太っちゃう」と言いつつも嬉しそうに受け取ってくれた。
「毎度ありがとうございました」
野々原が病棟へ引き返そうとしたら、後ろからきた人とドンとぶつかってしまった。
年齢は二十二、三くらいだろうか。
半月ほど前に入ったようだが、おどおどした不安そうなところがないので、看護師になり立ての新人ではないと思われる。
きっと他の病院に勤めていたのを辞めて、この病院に来たのだろう。
「いらっしゃいませ。お弁当、少ししか残っていないんです。選べるほどなくてすみません」
「いえいえ、残っているだけでありがたいです。花福さんのお弁当は美味しいから、売り切れでも仕方ないといつも思っています」
(なんていい人なの!)
文句ではなく褒めてくれた野々原に真琴は好感を持ち、兄の失恋を確信する。
(美人で性格もいい白衣の天使さん。こんなに素敵な女性ならすでに恋人がいると思う。頑張ってもお兄ちゃんには手の届かない相手だよ)
弁当の選択肢が少ない中で彼女はミックスフライ弁当を選んだ。
おにぎりをひとつサービスでつけたら、「太っちゃう」と言いつつも嬉しそうに受け取ってくれた。
「毎度ありがとうございました」
野々原が病棟へ引き返そうとしたら、後ろからきた人とドンとぶつかってしまった。