本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
泣いたのはいつぶりだろうか、もしかすると両親を亡くした日以来かもしれない。

逃げるようにICUを出た修平は、通路を進みながら涙を拭う。

(生きていてくれてありがとう。真琴が回復してくれるなら、他にはなにもいらない。真琴からの信頼も愛情も、夫という立場も)

無償の愛を胸に秘めた修平は、真琴のための最良の未来を模索した。

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