本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
そう言われて、疑問はワクワク感にかき消されてしまった。

口コミ情報の美味しそうなメニュー画像を思い出し、喉を鳴らす。

総合公園に到着すると、海開きにはまだ遠いためかほどよい人出である。

海が見えるカフェにも並ばずに入れて、海の幸をふんだんに使ったクリームパスタと、スモークサーモンとチーズのクロワッサンサンド、フルーツたっぷりのタルトまで欲張って食べ満腹になる。

「美味しかったですね」

「そうだな。次、どこを見たい?」

カフェを出て砂浜を歩きながら修平が希望を聞いてくれて、真琴は携帯電話を取り出した。

「ここに行きませんか? 花の美術館」

広い総合公園内には大きな温室があり、年中色とりどりの花を楽しめるという。

そう提案した真琴だが、ふと海に視線を移して思い直した。

「やっぱりお花を見るのは後にしましょう。少し、砂浜を歩きたいです」

打ち寄せる波音は心地よく、波打ち際では子供がはしゃぎ、家族連れもカップルも犬の散歩をしている人も誰もが笑顔だ。

真琴はその楽しげな風景の中に、修平と一緒に交ざりたくなった。

「そうしよう」
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