本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
目の前で親しげにされるだけも傷つくのに、さらなる衝撃を与えられる予感がして逃げたくなる。
「あの、私、今日は――」
急用を思い出したので帰ると言おうとしたのだが、メニュー表を閉じた守也に先に話されてしまう。
「マコちゃん、すごく申し訳なくて言いにくい話なんだけど、婚約を解消してほしいんだ。ええと、その、愛華ちゃんを好きになってしまって......」
守也はテーブルに手をついて頭を下げた。
なかなか顔を上げないのは、真琴と視線を合わせるのが怖いからなのかもしれない。
真琴は頭が真っ白になるほどの衝撃を味わい、思考が停止する。
(婚約解消って......)
結婚に向けて順風満帆だと思っていた中での宣告はまさに青天の霹靂で、理解が追いつかないためなにも答えられなかった。
まだ悲しむ余裕もないだけなのに、愛華が勘違いして嬉しそうに笑う。
「守也さんは、マコさんを泣かせることを心配していたんですよ。そのせいでなかなか言ってくればいから、私は悲しくて何度も泣いたんです。マコさんは大丈夫そうですね。よかった。もしかして守也さんのこと、本気で思っていなかったんじゃないですか?」
(なに言ってるの?)
「あの、私、今日は――」
急用を思い出したので帰ると言おうとしたのだが、メニュー表を閉じた守也に先に話されてしまう。
「マコちゃん、すごく申し訳なくて言いにくい話なんだけど、婚約を解消してほしいんだ。ええと、その、愛華ちゃんを好きになってしまって......」
守也はテーブルに手をついて頭を下げた。
なかなか顔を上げないのは、真琴と視線を合わせるのが怖いからなのかもしれない。
真琴は頭が真っ白になるほどの衝撃を味わい、思考が停止する。
(婚約解消って......)
結婚に向けて順風満帆だと思っていた中での宣告はまさに青天の霹靂で、理解が追いつかないためなにも答えられなかった。
まだ悲しむ余裕もないだけなのに、愛華が勘違いして嬉しそうに笑う。
「守也さんは、マコさんを泣かせることを心配していたんですよ。そのせいでなかなか言ってくればいから、私は悲しくて何度も泣いたんです。マコさんは大丈夫そうですね。よかった。もしかして守也さんのこと、本気で思っていなかったんじゃないですか?」
(なに言ってるの?)