本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
守也を好きなはずの愛華になぜ妬まれるのか、修平からの突然のプロポーズと相まって真琴は静かに混乱している。
(九波さんが生嶋先生も狙っていた、ということはないよね? 冗談を言えないって、生島先生は前から私に好意を持っていたの? 嘘でしょ......)
修平とは訪問販売時に話すだけの浅い関係で、食事に誘われたことはなく、思わせぶりな言葉さえかけられていない。
納得できる理由がほしかったが、修平が真琴の手首を掴んで強引に立ち上がらせた。
「行くぞ」
「どこにですか?」
「どこか、その辺」
真琴は慌ててコートとハンドバッグに手を伸ばす。
修平は店員に釣り銭はいらないと一万円札を渡し、真琴を引っ張るようにして店を出た。
商業ビルを出てからコートを羽織り、駅とは反対方向に進む。
もう手は離されていて、修平について歩く真琴は自然と速足になる。
駅へと急ぐ大学生らしき賑やかな集団が前方からやってきて、ぶつからないよう真琴が道の端に避けたら修平との距離が開いてしまった。
(置いていく気?)
真琴が足を止めているのに気づかずスタスタと先に進む修平を見て、いったい彼はなにがしたかったのかと真琴は眉を寄せる。
(九波さんが生嶋先生も狙っていた、ということはないよね? 冗談を言えないって、生島先生は前から私に好意を持っていたの? 嘘でしょ......)
修平とは訪問販売時に話すだけの浅い関係で、食事に誘われたことはなく、思わせぶりな言葉さえかけられていない。
納得できる理由がほしかったが、修平が真琴の手首を掴んで強引に立ち上がらせた。
「行くぞ」
「どこにですか?」
「どこか、その辺」
真琴は慌ててコートとハンドバッグに手を伸ばす。
修平は店員に釣り銭はいらないと一万円札を渡し、真琴を引っ張るようにして店を出た。
商業ビルを出てからコートを羽織り、駅とは反対方向に進む。
もう手は離されていて、修平について歩く真琴は自然と速足になる。
駅へと急ぐ大学生らしき賑やかな集団が前方からやってきて、ぶつからないよう真琴が道の端に避けたら修平との距離が開いてしまった。
(置いていく気?)
真琴が足を止めているのに気づかずスタスタと先に進む修平を見て、いったい彼はなにがしたかったのかと真琴は眉を寄せる。