本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
(生嶋先生のこと誤解してた。これからは卑屈にならずに先生の言葉を素直に受け取ろう。私に興味を持ったのはどうして? これまで出会ったことのないタイプなの?)

真琴としては高身長ということ以外、これといった特徴はないと思っている。

不思議に思う一方で、くすぐったい喜びも感じていた。

「こんな私に興味を持ってくださってありがとうございます。でも、その程度の気持ちで結婚して大丈夫ですか?」

「おかしいか? 俺にとっては希少で重要な要素なんだが」

「これまで女性に興味を持ったことくらい――」

「ない」

真顔で即答されて真琴は面食らう。

(好意を持って寄ってくる女性たちにも関心が湧かないの? そういえば九波さんのことを『あの女』と言っていたよね。つきまとわれても名前さえ覚える気がないのかも)

不思議な考え方をする人だと思ったら、真琴も修平に興味が湧いた。

これまでされてきた質問を逆にぶつけてみたくなる。

まるで想像できない私生活も一緒に暮らせば知ることができるだろう。

「俺との結婚を後悔させないつもりだが、君が苦痛に感じたら離婚してもいい。どうだ?」
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