本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
「つまりマコさんは、女としての魅力がないんです。モテる私におかしな説教してないで、自分をなんとかしたらどうですか。いつか捨てられるのはそっちでしょ」
つらかった小学生の時の気持ちを思い出してしまったためか、愛華の指摘に想像以上に心がえぐられた。
痛みに呻いて胸を押さえ、涙をひと筋流したその時――。
病院の建物の方からこちらに向けて駆け寄る足音が聞こえた。
ハッとするのと同時に薄緑色の手術着姿の男性が、真琴を背にかばうようにして愛華と対峙した。
「修平さん、どうして!?」
修平が振り向かずに三階の窓を指さした。
「そこの窓、医局なんだ。オペが終わって戻ったら花福の車が見えた」
たまたま見えたというより覗いたのだろう。
訪問販売を終えた真琴を密かに見送るつもりが、愛華に絡まれていたので駆けつけてくれたのではないだろうか。
(私のために来てくれたの?)
気にかけてくれたのが申し訳なくも嬉しくて、つけられたばかりの傷がいくらか癒された。
しかしながら心穏やかになるにはまだ早いようだ。
「真琴になにを言った?」
驚いている愛華に問いかける修平の声はいつもより低く、緊張が走る。
つらかった小学生の時の気持ちを思い出してしまったためか、愛華の指摘に想像以上に心がえぐられた。
痛みに呻いて胸を押さえ、涙をひと筋流したその時――。
病院の建物の方からこちらに向けて駆け寄る足音が聞こえた。
ハッとするのと同時に薄緑色の手術着姿の男性が、真琴を背にかばうようにして愛華と対峙した。
「修平さん、どうして!?」
修平が振り向かずに三階の窓を指さした。
「そこの窓、医局なんだ。オペが終わって戻ったら花福の車が見えた」
たまたま見えたというより覗いたのだろう。
訪問販売を終えた真琴を密かに見送るつもりが、愛華に絡まれていたので駆けつけてくれたのではないだろうか。
(私のために来てくれたの?)
気にかけてくれたのが申し訳なくも嬉しくて、つけられたばかりの傷がいくらか癒された。
しかしながら心穏やかになるにはまだ早いようだ。
「真琴になにを言った?」
驚いている愛華に問いかける修平の声はいつもより低く、緊張が走る。