あの頃の私たちへ
「私は元気だよ  先生こそなんで東京にいるの?」

私ももう大人になったんだ冷静でいないとまた子供扱いされる

私はドキドキなる心臓の音を必死に抑えた

「まぁ色々あってさ… 話せば長くなるな 
そういえば何か予定があったんじゃないの?」

「あー! やばっ! 仕事!」

私は腕時計を確認した

まだギリ間に合う

「あの、私これから仕事なの! 話したいこと山ほどあるんだけど…! えっと! どうしよ!」

冷静を装うのはやっぱり無理があった

私はあの頃から何も変わってない

先生は焦る私を見てクスッと笑った

「相変わらずだね これ僕の連絡先 よかったらまた連絡してよ 積もる話も一杯あるし、ここで会えたのも何かの縁だと思うしね」

先生は私にLINEのIDの書いた紙を渡した

え、あの先生がLINE!?

いや今はそんなことつっこんでる暇はない

「ありがとう! じゃあまた!」

私は地面に置いたままだった鞄を持って会社に向かった
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