もう、隣り合わないピースは


「なんで突然香水なんか」


その一言に大きく目を見開く理彩。


「理彩は香水なんてつけなかったのに、どうせ他の男だろ....」


気付けばそうつぶやいていた。


「なに、他の男って。私が浮気してるとでも言いたいの?」


悲しそうな理彩を見て、首を横に振りたかった。でも、振らない。


「だってお前最近おかしいし」


なかなか会おうとしない。メールもほとんどしない。笑わないし俺が話すスキはほとんどない。


おかしい、本当にそう思った。


「それはっ⎯⎯⎯⎯⎯ 」


「なに、言ってみて」


理彩の顔が歪んでいく。問いつめない方が幸せなのかもしれない。


でも聞かないとダメな気がする。

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