"全く興味がない"それだけだった
「どういたしますか?ランドリゲス公爵家のミケーレが御自分で決めてくださいませ」

「‥‥」

「ああ、やはりミケーレ様には‥」


ぐっとミケーレが拳を握りしめる。
ソフィーアが目を細めてミケーレの動向を追っていた時だった。




ーーーパンッ




乾いた音が響く。

ミケーレの容赦のない手のひらがソフィーアの頬を叩いたのだ。
カラカラとテーブルの上に曲がった眼鏡が転がった。


(あーあ、ついにやりやがったわ。この馬鹿が)


いくら苛立って言葉が出ないからといって、手を上げるとは流石に思っていなかったソフィーアはギロリとミケーレを睨みつける。

手が痺れて痛いのか、泣きそうになりながらソフィーアを見ているミケーレ。
一応はいけないと思っているようだ。
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