"全く興味がない"それだけだった
「ここに母印もお願い致しますわ」
「やけに準備がよくないか?」
「‥‥備えあれば憂いなしと言いますから」
「お前はいつも意味が分からない事を‥」
「異国のことわざですわ」
ソフィーアは笑みを浮かべないように必死に抑えていた。
「ではミケーレ様、さようなら」
「‥‥」
「ランドリゲス公爵様とソリッドお兄様によろしくお伝え下さいませ」
しかしミケーレは焦ったようにソフィーアを見つめている。
そんな視線を振り払い、本と曲がった眼鏡を持ったソフィーアがミケーレに一礼して背を向けた時だった。
「‥‥待て、ソフィーア」
「まだ何か?」
「い、今ならば婚約者に戻ってやらなくもないが‥」
「はい?」
「お前に最後のチャンスをやると言っているんだ!」
「結構です。お気遣いありがとうございます」