"全く興味がない"それだけだった
「全く」

「‥‥っ」

「貴方はわたくしに何も与えてはくれませんもの」


あまりの鬱陶しさに本音が出てしまった。
当然、ミケーレはソフィーアの言葉に怒りを見せている。
ミケーレはソフィーアに冷たくあしらわれて悔しいのか、反撃とばかりに口を開く。


「俺はお前だけじゃなく、色々な御令嬢に接して分かった事があるんだ!」

「‥‥へぇ」

「俺の婚約者がいかに地味で男を立てることを知らない女だってな」

「‥‥」

「お前は男を知らなすぎるんだよ‥俺と違ってな」


ミケーレの言葉にソフィーアの手がピタリと止まる。

ソフィーアが男を沢山知っていたら此処にはいられないだろう。
そんな常識すら忘れてしまったミケーレに馬鹿も大概にしろと言いたいくらいだ。
心でマグマのように煮えたぎる苛立ちをなんとか抑えながら、ソフィーアは深呼吸する。
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