双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
しかし、その事実を悲観したり穂貴を責める気持ちは一切なく、ある程度気持ちに余裕を持って対応できているのは事前にそういった子育てあるある話を聞いていたおかげ。穂貴だけでなく、小さい子は体調を崩しやすいと産前産後に助産師さんをはじめ、通院先で隣同士の席になった先輩ママなどからいろいろと情報を入れていた。
そうして、産後に仕事を探す際、なるべく時間の都合がつきやすい職種を選んで就職したのだ。
時間の都合を考えれば、パートタイムのほうがもっと柔軟に子どもの変化に対応できるとは思ったけれど、私はふたりの子育てをしていくためにはお金も必要だと考えて正社員を希望した。もちろん、それも家族の理解があって成り立ったことで、両親んと弟には本当に感謝している。
「穂貴、熱があるんだってね。おうちに帰って休もうね。大丈夫だよ」
穂貴は熱のせいかいつもよりはやはり元気がなく、無言でこくりと頷くだけ。私の身体にぴったりとくっつく穂貴の背中を優しくトントンと叩き、腰に装着していた抱っこ紐を穂貴の背中に回して肩ベルトのバックルをはめた。
そこに奥から西宮先生が詩穂と手を繋いで戻って来る。
「これ、ふたり分のお荷物です」
私は荷物を受け取りお礼を言うと、先生が「あ」となにか思い出した様子で声をあげた。
「そうだ、お母さん。個人面談の希望のプリント、今日まででしたが持って来られました?」
「あ! そうでしたね。ちょっと待ってください」
提出予定のプリントは今朝ちゃんとバッグに入れてきた。
私はすぐに出せるようにバッグのサイドポケットにしまったプリントを片手で探る。しかし、なぜかあるはずのものがなくて焦りを滲ませる。
「ああ、大丈夫ですよ。もしお忘れでしたら明日持ってきていただけたら」
「すみません。明日、忘れずに提出します」
「はい。まずは穂貴ちゃん、お大事にしてくださいね」
「ありがとうございます」
深々と頭を下げたのち、詩穂の靴を履かせる。
「では、また。詩穂、先生にバイバイだよ」
「ばいばい」
玄関を出て園に預けていたベビーカーに詩穂を乗せ、家路につく。
「じいじとばあばが待ってるね。早く帰ろ」
「はーい」
私の声かけに元気に反応をくれたのは詩穂。穂貴はうとうとしていた。
そうして、産後に仕事を探す際、なるべく時間の都合がつきやすい職種を選んで就職したのだ。
時間の都合を考えれば、パートタイムのほうがもっと柔軟に子どもの変化に対応できるとは思ったけれど、私はふたりの子育てをしていくためにはお金も必要だと考えて正社員を希望した。もちろん、それも家族の理解があって成り立ったことで、両親んと弟には本当に感謝している。
「穂貴、熱があるんだってね。おうちに帰って休もうね。大丈夫だよ」
穂貴は熱のせいかいつもよりはやはり元気がなく、無言でこくりと頷くだけ。私の身体にぴったりとくっつく穂貴の背中を優しくトントンと叩き、腰に装着していた抱っこ紐を穂貴の背中に回して肩ベルトのバックルをはめた。
そこに奥から西宮先生が詩穂と手を繋いで戻って来る。
「これ、ふたり分のお荷物です」
私は荷物を受け取りお礼を言うと、先生が「あ」となにか思い出した様子で声をあげた。
「そうだ、お母さん。個人面談の希望のプリント、今日まででしたが持って来られました?」
「あ! そうでしたね。ちょっと待ってください」
提出予定のプリントは今朝ちゃんとバッグに入れてきた。
私はすぐに出せるようにバッグのサイドポケットにしまったプリントを片手で探る。しかし、なぜかあるはずのものがなくて焦りを滲ませる。
「ああ、大丈夫ですよ。もしお忘れでしたら明日持ってきていただけたら」
「すみません。明日、忘れずに提出します」
「はい。まずは穂貴ちゃん、お大事にしてくださいね」
「ありがとうございます」
深々と頭を下げたのち、詩穂の靴を履かせる。
「では、また。詩穂、先生にバイバイだよ」
「ばいばい」
玄関を出て園に預けていたベビーカーに詩穂を乗せ、家路につく。
「じいじとばあばが待ってるね。早く帰ろ」
「はーい」
私の声かけに元気に反応をくれたのは詩穂。穂貴はうとうとしていた。