双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
時間がある時に来るっていうくらいだもの。よっぽど好きなんだなあ。
雄吾さんの興味のあるもの・好きなものを感じられて自然と頬が緩む。
「いいですよ。でも、簡単なゲームしかできないかも」
「ベーシックゲームは? 知ってる?」
「はい。的球を多くポケットしたプレイヤーの勝ちってゲームですよね?」
十五個の的球を、より多くビリヤード台にある六か所の穴に入れた人の勝ちという、一番シンプルなルールでわかりやすいゲームだ。
私たちは提供されたカクテルを三分の二ほど飲み終えたあたりで、ビリヤード台が空いたので移動する。
キューを手に取り、久しぶりの感覚にわくわくしていたら雄吾さんがけしかけてきた。
「勝負事だから、勝者にはなにか特典をつけようか」
「それはたとえば?」
興味はあるものの、詳細を聞かずに承諾はできなかった。
私の質問に彼はにっこりと笑う。
「なんでもいいことにしよう」
「んん? どういうことですか?」
「相手のお願いをひとつ聞くことにしよう。どう?」
悪戯っぽく笑ったりもするんだ、などと頭の隅で考えつつ、私はこくりと頷いた。
「わかりました」
簡単に受け入れられるのは、雄吾さんなら突拍子のないお願いもしないと思ったから。それに、もしかしたら負けないかもしれないし。
「ハンデはプラス三点くらいでいい?」
「え? ハンデもらえるんですか?」
だったらかなり勝機が見えてくる。
「では遠慮なく。ありがとうございます」
そうして意気込み、ゲームを開始してから約三十分後。
勝負の結果は......私の惨敗。まさかここまで実力差があるなんて。
ハンデのポイントを足しても六対十二で雄吾さんの圧勝。もらったハンデも無意味なほどだ。
私はキューを両手で握り、ジトッとした視線を送る。
「ズルイです。雄吾さん、めちゃくちゃ強い」
雄吾さんの腕前は、ゲームの初めのブレイクショットで薄々気づいてはいた。
手球を前に構える姿勢と、手球をついた直後の的球の弾ける音。それだけでもう、私とはレベルが段違いだとわかっていた。
「今日は集中力を発揮できただけ。さらに言えば、春奈さんが集中力欠けてたかも」
彼の言う通りだ。私は雄吾さんにこっそり見惚れ、自分の番になれば彼に注目されていると思うとドキドキして、ゲームどころではなくなっていた。
雄吾さんの興味のあるもの・好きなものを感じられて自然と頬が緩む。
「いいですよ。でも、簡単なゲームしかできないかも」
「ベーシックゲームは? 知ってる?」
「はい。的球を多くポケットしたプレイヤーの勝ちってゲームですよね?」
十五個の的球を、より多くビリヤード台にある六か所の穴に入れた人の勝ちという、一番シンプルなルールでわかりやすいゲームだ。
私たちは提供されたカクテルを三分の二ほど飲み終えたあたりで、ビリヤード台が空いたので移動する。
キューを手に取り、久しぶりの感覚にわくわくしていたら雄吾さんがけしかけてきた。
「勝負事だから、勝者にはなにか特典をつけようか」
「それはたとえば?」
興味はあるものの、詳細を聞かずに承諾はできなかった。
私の質問に彼はにっこりと笑う。
「なんでもいいことにしよう」
「んん? どういうことですか?」
「相手のお願いをひとつ聞くことにしよう。どう?」
悪戯っぽく笑ったりもするんだ、などと頭の隅で考えつつ、私はこくりと頷いた。
「わかりました」
簡単に受け入れられるのは、雄吾さんなら突拍子のないお願いもしないと思ったから。それに、もしかしたら負けないかもしれないし。
「ハンデはプラス三点くらいでいい?」
「え? ハンデもらえるんですか?」
だったらかなり勝機が見えてくる。
「では遠慮なく。ありがとうございます」
そうして意気込み、ゲームを開始してから約三十分後。
勝負の結果は......私の惨敗。まさかここまで実力差があるなんて。
ハンデのポイントを足しても六対十二で雄吾さんの圧勝。もらったハンデも無意味なほどだ。
私はキューを両手で握り、ジトッとした視線を送る。
「ズルイです。雄吾さん、めちゃくちゃ強い」
雄吾さんの腕前は、ゲームの初めのブレイクショットで薄々気づいてはいた。
手球を前に構える姿勢と、手球をついた直後の的球の弾ける音。それだけでもう、私とはレベルが段違いだとわかっていた。
「今日は集中力を発揮できただけ。さらに言えば、春奈さんが集中力欠けてたかも」
彼の言う通りだ。私は雄吾さんにこっそり見惚れ、自分の番になれば彼に注目されていると思うとドキドキして、ゲームどころではなくなっていた。