双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
余裕のない色っぽい表情と吐息交じりの低い声。肌を撫でる手のひら、刺激を与える唇。彼のすべてに反応して、自分が自分ではなくなる。
彼を全身に刻まれながら、私は幸福に浸っていた。
――時間もわからなくなった頃。
広いベッドなのに身を寄せ合って、ぼんやりとしていた。
なんだかまだ夢みたい。ふわふわした意識なのは、アルコールや眠気だけが理由ではないと思う。
雄吾さんに抱かれた感覚が全身に残っている。それがとてもうれしくて幸せで、ぼうっと反芻していた。
そうしているうちに、ふと疑問が浮かぶ。
「さっき」
「ん?」
彼の広い胸の中でぽつっとこぼすと、すぐに反応が返ってくる。私はちらりと雄吾さんを見上げて尋ねた。
「バーで、最初に言おうとしていたお願いありましたよね? あれはなんだったのかなあって」
『やっぱりやめておく』って言って、続きを言ってはくれなかった。
あれがちょっと気になり、聞いてみたのだけれど。
雄吾さんはこちらを一瞥し、視線を泳がせた。よっぽどいいにくい内容だったのだろうかと考えあぐねていた時、ぽつりと答えが聞こえてきた。
「......『僕を好きになって』って」
思いもよらない言葉が飛び出してきて、目を丸くした。
私が驚愕していると、雄吾さんは頬を薄っすら赤らめて口元を右手で覆った。気まずそうに、ぼそぼそと続ける。
「さすがにゲームで、しかも命令的な流れで『付き合って』とは言えないしって考えた結果、苦肉の策で浮かんで。でもそれも〝ないな〟って踏みとどまったんだけど」
雄吾さんは私を『可愛い』と言ってくれるように、私も雄吾さんが可愛く見える。
思わず彼の背中に手を回し、ぎゅっと抱きついた。
「――好き。雄吾さんが、好きです」
あれだけ言えなかったセリフを、今は何度でも伝えたくて仕方がない。
肌を合わせ、彼の胸に頬を寄せていると、雄吾さんからもちょっとテンポの速い心音が聞こえてきた。
瞼を下ろしてその音を感じていたら、ふいに身体が離され組み敷かれる。
「あぁ、もう。一生懸命、冷静を保とうとしてるのに」
私の顔に影を作りながら、雄吾さんは熱情に満ちた瞳でこちらを見下ろす。
「ごめん。もう、可愛すぎて......無理」
形のいい眉が、きゅっと寄せられる少し苦しげな表情も好き。
そんなことを考えているのも僅かで、唇が重なり、瞬く間にまた抗えない高みに上らされる。
「ふっ、う......ん。あっん......ああっ」
どれだけ身体を捩っても、彼は私を捕らえて離さない。背中から首筋、そして耳へと口づけられ、甘い吐息を漏らす。
急に雄吾さんの動きが止まった気がいて、ふいに顔を向けた。
「好きだよ、春奈」
すると、極上の笑顔でそうささやかれ、私はまた心身ともに蕩けさせられたのだった。
彼を全身に刻まれながら、私は幸福に浸っていた。
――時間もわからなくなった頃。
広いベッドなのに身を寄せ合って、ぼんやりとしていた。
なんだかまだ夢みたい。ふわふわした意識なのは、アルコールや眠気だけが理由ではないと思う。
雄吾さんに抱かれた感覚が全身に残っている。それがとてもうれしくて幸せで、ぼうっと反芻していた。
そうしているうちに、ふと疑問が浮かぶ。
「さっき」
「ん?」
彼の広い胸の中でぽつっとこぼすと、すぐに反応が返ってくる。私はちらりと雄吾さんを見上げて尋ねた。
「バーで、最初に言おうとしていたお願いありましたよね? あれはなんだったのかなあって」
『やっぱりやめておく』って言って、続きを言ってはくれなかった。
あれがちょっと気になり、聞いてみたのだけれど。
雄吾さんはこちらを一瞥し、視線を泳がせた。よっぽどいいにくい内容だったのだろうかと考えあぐねていた時、ぽつりと答えが聞こえてきた。
「......『僕を好きになって』って」
思いもよらない言葉が飛び出してきて、目を丸くした。
私が驚愕していると、雄吾さんは頬を薄っすら赤らめて口元を右手で覆った。気まずそうに、ぼそぼそと続ける。
「さすがにゲームで、しかも命令的な流れで『付き合って』とは言えないしって考えた結果、苦肉の策で浮かんで。でもそれも〝ないな〟って踏みとどまったんだけど」
雄吾さんは私を『可愛い』と言ってくれるように、私も雄吾さんが可愛く見える。
思わず彼の背中に手を回し、ぎゅっと抱きついた。
「――好き。雄吾さんが、好きです」
あれだけ言えなかったセリフを、今は何度でも伝えたくて仕方がない。
肌を合わせ、彼の胸に頬を寄せていると、雄吾さんからもちょっとテンポの速い心音が聞こえてきた。
瞼を下ろしてその音を感じていたら、ふいに身体が離され組み敷かれる。
「あぁ、もう。一生懸命、冷静を保とうとしてるのに」
私の顔に影を作りながら、雄吾さんは熱情に満ちた瞳でこちらを見下ろす。
「ごめん。もう、可愛すぎて......無理」
形のいい眉が、きゅっと寄せられる少し苦しげな表情も好き。
そんなことを考えているのも僅かで、唇が重なり、瞬く間にまた抗えない高みに上らされる。
「ふっ、う......ん。あっん......ああっ」
どれだけ身体を捩っても、彼は私を捕らえて離さない。背中から首筋、そして耳へと口づけられ、甘い吐息を漏らす。
急に雄吾さんの動きが止まった気がいて、ふいに顔を向けた。
「好きだよ、春奈」
すると、極上の笑顔でそうささやかれ、私はまた心身ともに蕩けさせられたのだった。