監察医と魔法使い 二つの世界が交わる時
「えっ?」

全員が再び画面に目を向けると、上空から紫の光線がまるで槍のように飛んでくる。そして、それに当たった人々はパタリパタリと倒れていった。

「人が、人が急に倒れたぞ!!」

「救急車呼んで!!」

どうやら配信者たちに紫の光線は見えていないようだ。そのため、パニックはさらに大きくなっていく。冬都たちにはそれが魔法だとすぐにわかった。

「すぐにこの場所へ行ってロイドを止めないと!」

紫月がそう言い走り出そうとするが、光線はもう空から降ってこない。ロイドはもう現場を去って行ったのだろう。

「こんなに簡単に人の命を奪って……」

冬都が手を震わせていると、アイビーが何かを思い出したかのように焦り始める。

「まずいです!この遺体には、魔法使いが殺害をしたという魔法の証拠が体に残ってしまいます!そして、不審死として発見された遺体は解剖されてしまいます。それをロイドが知ったらーーー」
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