監察医と魔法使い 二つの世界が交わる時
アイビーの口調が昔のものに戻っている。それほど焦っているのだ。部屋中を行ったり来たりしている。

「もし、解剖をされたとロイドが知ったら……?」

大智が顎に手を当て、楓もローブの胸元を強く掴む。

「解剖をする人たちが、その魔法の痕跡に気付いてしまったら……?」

監察医の人たちが命の危険に晒されることになる。あのように簡単に命を奪われてしまうのだ。

「そんなの、許されるはずがない!!」

冬都がそう言い拳を握り締めると、輝一と凛都が冬都の肩を掴む。二人の瞳には、誰よりも強い感情が見えていた。

「こんなところでウダウダ話している暇はないよな」と輝一。

「早く監察医の人たちを護ろう!」と凛都。

こうして冬都たちは、最凶の大罪人であるロイドと戦うことになったのだ。








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