監察医と魔法使い 二つの世界が交わる時
「ふ、二人とも落ち着いてください!」

バチバチと火花を散らして睨み合う二人の間に圭介が入り、言い争いを止めようとする。その間蘭は、星夜の胸から聞こえてくる心音に自身の胸を高鳴らせるも、心のどこかには不審死と診断された人たちのことがある。

ここ数日、この辺りの地域では不審死が相次いでいる。遺体で発見された英介の現場では、突然何人もの人が倒れてそのまま亡くなるという事態まで起きたほどだ。

(この不審死はいつまで続くんでしょうか……)

もしも、次に星夜が倒れてしまったら?法医学研究所の誰かが倒れてしまったら?冷たい台の上にこの中の誰かが横たわっている姿を想像するだけで、蘭の体は震えてしまうのだった。



一方その頃、宝石で飾られたローブを着たロイドは目をギラつかせながら街を見下ろしていた。次に誰の命を奪うか、彼の頭の中はそのことでいっぱいである。

「フン。マヌケそうな奴らばかりだ」
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