監察医と魔法使い 二つの世界が交わる時

何を食べたいか、どんな店で食べたいか、そんなことを話し合いながら法医学研究所を出る。すると、そこには圭介がいた。

「あっ、皆さんもう仕事終わりですか？」

「圭介くん、どうしたの？」

碧子が訊ねると、圭介は不審死で蘭たちが解剖した遺体の一つがまた探偵会社に依頼に来た人だという報告をしに来たのだと話す。

「じゃあ、これだけなので」

そう言って彼が帰ろうとし、ゼルダが何かを言おうと口を開いたその時だった。夕焼けで赤く燃えるようだった空が、一瞬にして暗闇に包まれる。まるで、世界から太陽が消えてしまったかのようだ。

「えっ、何？」と戸惑うゼルダ。

「わぁぁぁぁぁん！マンマぁぁぁぁ！」とパニックになるルカ。

「何かしら、この天気……」と冷静を装いながらも指先を震わせる碧子。

夕焼けに照らされた空がいきなり真っ暗になることなどあるだろうか。異常な天気に蘭の心臓がドクドクと早くなる。

「蘭……」