監察医と魔法使い　二つの世界が交わる時
鎧を身に付けた一人が言い、ソラが「もしかして秘密の騎士団？」と言う。秘密の騎士団とは、このフォルトゥナで暗躍し続けている謎に包まれた集団のことである。ソラが興奮気味に説明してくれた。

「助けていただき、ありがとうございます」

碧子が騎士団たちにお礼を言う。彼らが盾を作り出したことで碧子たちに魔法が当たることはなかった。そのことに蘭たちもホッとしている。そしてーーー。

「放せ！！」

魔法により拘束されたロイドが床に転がっていた。戦いは終わったのだ。冬都の体から力が抜け、「大丈夫か？」と言いながら凛都と輝一が支えてくれる。

「よかった、みんな無事で……」

冬都はそう呟き、目を閉じた。



それから、蘭たちは少し遅くなったもののお菓子パーティーをすることになり、アイビーの家は盛り上がっていた。たくさん話し、たくさん食べ、明るい雰囲気に包まれている。

「蘭、無事でよかった」

星夜に手を重ねられ、蘭は微笑む。

「星夜さんもご無事でよかったです」

みんなの笑顔を見ながら、蘭はブローチに触れた。
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