監察医と魔法使い 二つの世界が交わる時

「おはよう、蘭」

チェック柄のエプロンをつけた星夜がニコリと微笑み、卵焼きをテーブルの上に置く。蘭も微笑み、「おはようございます、星夜さん」と言った。朝起きて挨拶をする、それは当たり前のことだ。だが、その瞬間が蘭に幸せを与えてくれる。

「お腹ペコペコだわ。さあ、みんなで手を合わせましょう！」

碧子がそう言って椅子に座り、蘭と星夜も椅子を引いて座る。三人で手を合わせて「いただきます」と言った後、蘭は箸を手に持った。

テーブルの上に並べられているのは、白米に大根とわかめのお味噌汁、焼き魚に卵焼きに漬物、そして豆腐と豪華な和食の朝ご飯である。蘭はお茶を一口飲んだ後、卵焼きに口をつけた。

「星夜さん、この卵焼き、お出汁がとても効いていておいしいです」

「本当？嬉しいな」

「星夜くん、料理の腕が日に日に上がってるわよ〜」

二人と話していても、蘭の耳にはアナウンサーの声が入ってくる。十一月も終わりに近付いた今日は、一段と冷え込むらしい。