あたしを歌ってよ
突然だったから驚いて、勢いよく振り返ると、そこにはサラサラストレートロングヘアーの美人がいた。
「?あの、あたしに何か?」
こんな美人、あたしは知らない。
美人な彼女は、
「あなたでしょ?」
と、あたしを指差した。
!?
美人な彼女は口角を上げているものの、目はかなり怒っている。
「あなただよね?」
と、もう一度確認するように尋ねてくる。
「あの、何のことかわからないんですけれど」
とりあえず、彼女から一歩離れた。
美人な彼女はあたしを上から下へと、舐めるように見る。
「わかってるでしょ?悠馬のことだよ」
突然悠馬くんの名前が彼女の口から出てきてまた驚いたけれど、でも、それであたしはハッとした。
(悠馬くんの、元カノ……?)
「悠馬のこと、とったの、あなただよね?」
「……」
「あたしから、奪ったの、あなたでしょう?」