あたしを歌ってよ
「オレ、ここに居ていいのかなって最近思うんだよね」
「なんで?なんでそんなことっ」
悠馬くんにすがりついて、あたしは必死に続けた。
「他に好きな女の子が出来たの?さっきの、あの女の子?ねぇ、あたしが悪かったから、ちゃんと直すから、お願いっ」
悠馬くんはすがりつくあたしを、悲しい目で見下ろしている。
「お願いだから、あたしのこと、捨てないでっ!頑張るから、飽きられないように、頑張るからぁっ!」
「……なんで?」
と、悠馬くんはあたしと目線を合わせるようにしゃがんだ。
「なんで、そんなこと言うの?」
そんなの、決まってる。
好きだから。
好きだからだよ。
悠馬くん。
「……鞠奈が、わからないよ」
と、悠馬くんは、自分の腕にしがみつくあたしの手をとり、
「こんなこと言う子じゃなかったじゃん」
なんて言って、あたしの手を離した。