あたしを歌ってよ
六年間。
連絡をしなかったのは。
あたしも同じなんだ。
信じきれなかったから。
……ふと、あたしは『ベイビー・サンデー』のデビュー曲を聴いていないことに気づいた。
ホームページのトップページに、動画が貼り付けられていた。
「『運命の片想い』」
曲名を読み上げると、悠馬くんにピッタリだと思った。
切なくて悲しい、でも力強いあの声に。
再生してみる。
バラードかなと思ったけれど。
わりとアップテンポな曲調だった。
曲の主人公は、夢を追いかける男の子。
運命を初めて感じる恋に落ちる。
『きみ』へのまっすぐな気持ちが、聴いているこちらが照れるほど伝わってくる。
【♪信じてほしい これが未来を願う気持ちだってことを
信じてほしい きみへの精一杯のラブソング♪】
悠馬くんが歌っている姿。
スポットライトを浴びてる。
初めて見た、あの時と同じ。