あたしを歌ってよ
「あたしとの『運命』をもう一度、作ってください。今度は『片想い』なんて言わせないから」
「……!」
悠馬くんはあたしから離れようとして、一歩下がった。
だけどあたしは。
悠馬くんの腕をがっちり掴んだ。
今度は離したくない。
「そんな、鞠奈、勝手だよ」
と、悠馬くんは言う。
「離れたほうがいいって思ったから、オレは……」
「うん、あの時はごめんね」
「……」
「あたし、諦められないよ。悠馬くんのこと。これは、運命の恋だよ」
そう言って笑った私を見て、悠馬くんは言った。
「鞠奈、悪魔みたい」
……そうだよ。
悪魔でも。
なんでもいい。
悠馬くんのことを好きだから。
手に入れるためには、悪魔にだってなる。
それから。
悠馬くんは。
困ったような表情で。
「好きでいて、いいの?」
と、あたしに尋ねたから。
あたしは言った。