人を見た目で判断するな〜ダサダサ御曹司の真の顔〜
 どうして、こんな話になっているのかが全く理解できない。訳がわからず困惑する夕を気にすることなく、聖七からの質問は続く。

「仕事は楽しいか?」

「はい!」戸惑う質問から抜け出し、安堵して答える。

「夕は、俺に何か聞きたいことはないのか?」

「えっ?あ、あの〜」

「ああ」

「なぜ今日の撮影、私が呼ばれたんでしょうか?」

「聖を見てどう思った?」

「えっ?どこかで見たことがあるような……」

「他には?」

「他?う〜ん。キラキラしすぎていて現実味がないです」

「ハハッ。夕らしい。お近づきになりたいとか思わないか?」

「えっ?考えたこともありません」

「そうか」

 なぜか一瞬聖七が切ない顔になった気がした。

< 27 / 85 >

この作品をシェア

pagetop