人を見た目で判断するな〜ダサダサ御曹司の真の顔〜
「そこのソファーに座って待っててくれ」

「はい……」

 キョロキョロするのも失礼だと思い、ソファーに座り固まってしまう。

 話をするために、前のソファーに聖七が座っても、床に視線を向けたままだ。

「早速だが、先日も話をした通り、秘書課に異動してもらいたい」

 伺うように聞こえるが、上司にむかって無理ですとは言えない。

「あの、本当に私で務まるのでしょうか?」

「大丈夫だ。俺は、人を見る目はあるつもりだ。夕以外に適任者はいない」

「はあ……」

 そうは言われてもピンとは来ないが、専務が認めてくれているのは純粋に嬉しい。

「もうひとつ」

「……」

 前回と同じ流れに反応が出来ない。

 その時……。
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