人を見た目で判断するな〜ダサダサ御曹司の真の顔〜
「聖七、いよいよだな」

「ああ、会場は?」

「完璧だ。あとは時間に主役が登場するだけだ」

「マスコミは?」

「想像以上の人数だ」

 一通の招待状で三名まで入れるが、二名くらいで来るかと予想していた。もちろん、三名来ても入れる会場設定になってはいる。

「そうか。楽しみだな」

 聖七に緊張は見られない。先日夕にプロポーズした時の方が緊張した。もし、まだ断られることがあれば、婚約者のふりをしてもらうつもりの覚悟までしていたのだ。

 一緒に住むようになって、ストレートに想いを伝えてきた。最初は、戸惑いの方が大きかった様子が、だんだん聖七自身を見てくれ、二人の関係にも変化が見られていた。

 仕事でも私生活でも信頼しあう二人は、今日を迎えたのだ。
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