七つの大罪(魔族神)の末っ子
大臣の思惑はクソ
勇者視点
召喚の儀式で憤怒様を召喚した後、あの部屋から連れ出されたオレは自分でも珍しく思うくらいに苛立っていた。
あの部屋に居た布を被った子が忘れられず、早くあの部屋に戻りたくてここの大臣と話している。
「早くあの部屋に戻って憤怒様をお迎えしないとならないでしょう？」
「いえ、勇者様あの部屋にはもう少ししてから行きましょう。憤怒様のお怒りが無くなるまでもう少しかかるでしょうから」
「なら、あの部屋に居た布を被った子は？何故あの部屋に置いて行ったのですか？」
「アレは憤怒様を鎮める為に居る者です。ですので、あの部屋に置いているのです」
「憤怒様の怒りがあの子に向かったらどうするつもりですか？」
「大丈夫です。アレはその為に居る者ですから」
「ッ、、、、」
この男はオレがナニを言っても、オレをあの部屋に行かせない気だ。
何を言っても気持ち悪い笑顔でとぼけるので何を言っても意味が無い。
勝手に行こうとしても色々な理由をつけてオレをあの場所へ行かさない様にしている。
(、、、このくそジジイ！、、、あの子が忘れられない。何故あの子はあそこに居たんだ？もう一度会いたい、、、)
「もう一度儀式をいたしますので準備が出来るまで勇者様は部屋でお休み下さい。準備が出来次第お呼びしますので。おい！勇者様を部屋に送り届けろ！」
「、、は、はい。勇者様、こちらです」
とても怯えている女の人は震えながらオレを部屋に案内しようとしていた。
オレを送り届けないとあの大臣にかなり辛いやり方で叱られるのだろう。
オレは案内をする女の人におとなしく着いて行った。
「此方が勇者様のお部屋です」
「ああ、案内ありがとう」
「い、いえ！、、、それでは失礼します」
オレは部屋に入るとそのままベッドに腰を下ろした。
「、、、はぁ」
ため息をついて肩の力を抜いて、さっきまでの事を考えた。
(良かった、さっき一緒に居た女の人達は居ないみたいだ。儀式の時に何故か大臣が紹介してきてからベタベタして来る子達だったけど誰だったのかな？それより儀式って回復者を召喚する儀式かな？、、、、はぁ、、、オレおかしくなったのかな？あの部屋に居たあの子の事が忘れられない。もう一度会いたい。会いたくって仕方ないんだよな、、、何でこんなに会いたいんだろ？)
“コンコン”
「勇者様、儀式の準備が整いましたのでお迎えに参りました」
「分かりました、直ぐ行きます」
その後もずっと頭の中で布を被った子が離れなかった。
憤怒視点
撫子と話していたその時、かなり近くで何かを召喚する儀式をする気配を感じた。
(何の儀式だ？、、、私達兄弟を召喚する時と同じ感じがする？、、、、まさか！)
「撫子、少し聞きたい事がある」
「なに？」
「勇者以外ここに居た奴らは私を喚び出した後、どんな感じで逃げた？」
「どんなって、、、ん？そういえば、かなり怯えていたけどみんな冷静に出て行った様な？、、、そう、確かにみんな怯えてたけど冷静に、素早く、この部屋から出て行ったよ。勇者さんを連れて行く時も結構冷静だったし」
「そうか、、、やはりな」
「憤怒？」
「いや、 もしかしたら、、、これは、、もしかしたのではないな、絶対になったみたいだな」
「どういう事？」
撫子に説明しようとした時、この部屋を中心にしてぐるりと囲む人の気配がした。
私達を囲む者達は魔力を発してある魔法を使おうとしているのが分かった。
(撫子の言うくそジジイは本当にくそジジイみたいだな。、、、時間が無いか)
「撫子、時間が無いから後で説明するのでこっちに来て私に捕まれ」
「え？う、うん、分かった」
撫子を抱き締め、私のかろうじて動く太ももに撫子を座らせる。
(どうやらくそジジイと言う者は、わざと私を喚び出したみたいだな、、私を封印する為に)
大臣視点
ある者を喚ぶ儀式を始めながら私は口元がニヤけるのを止める事が出来なかった。
(今頃は憤怒を封印する為に向こうも動いてるだろう)
「おお！黒にも見える紫色！やはりお越しいただけるか！」
「え！、、、何故？憤怒様がいるでしょう？何故、他の、しかもあの方を？」
「勇者様、憤怒様では皆に畏れられ下手すると気絶する者も現れるでしょう。ですから、憤怒様にはお還りする様にしていただいて他の方を勇者様の契約者になっていただける様にしようと思いまして」
「ですが、、、この色は」
「ええ、勇者様と相性が良い方をお喚びしているのですが、まさかあの方なんて私も驚いています」
「なら、あの子は、、」
勇者が何か言おうとしていたが、それよりも魔方陣の中のぎゅうぎゅうにある宝が黒にも見える深い紫色に包まれ人形になり始めた。
「来た！」
「、、、、私を喚び出したのは誰だ？」
「私です！魔王様！」
私は勇者の契約者にするモノに、魔王を喚び出す事に成功した。
魔王の姿がだんだん見える様になってきたので魔王の方を見ると私は固まってしまった。
「あ、う、美しい、、、」
「、、、お前が勇者か？」
「え？、、はい！オレが勇者のセイです！」
「そうか、、、七つの大罪ではなく私を喚び出すとはな。だが魔生王を倒す為だ私がお前の契約者になろう、セイ」
「はい、魔王様！」
私が魔王の美貌に見とれているうちに勇者と魔王の間に契約が成された。
(ハハハ、こんなに上手くいくとは！もう憤怒は封印されているはずだ！これから勇者にあの者達を紹介しなければ)
「勇者様、魔王様、あなた方に紹介したい者達が居りますので此方に入らして下さいますか？」
「、、、分かりました」
「良いだろう」
私は二人をある部屋に案内する為に城に向かった。
城の少し奥の方にある王族専用の部屋まで来てその部屋をノックする。
“コンコン”
「入ります」
“ガチャ”
「皆様方、勇者様方をお連れしました」
その部屋に居た六人の男女が私の方を見た。
勇者と魔王が部屋に入った瞬間、美しい美貌を持つ六人が急に部屋の中に現れた。
(これは、、なんと美しい、、)
「魔王？お前が喚び出されたのか？憤怒ではなくお前が？」
「七つの大罪で残っているのは憤怒のはず、、、何故、魔王が？」
「憤怒はまだ魔界に居るのか？」
「それなら早く還らないと！」
「何故、魔王なんだ！」
「直ぐに魔界に還れないってのに！」
「何故お前達(七つの大罪)がここに？七つの大罪の憤怒以外の者が喚び出されたというのか？」
七つの大罪の者達と魔王が驚きながら話し出した。
そう、ここに居るのは憤怒以外の七つの大罪とその契約者だ。
(ここまで、ここまで上手くいくとは！ハハハ！これで私の地位は揺るぎ無いものになった！)
「あの、、、皆さん方は一体？」
「あんたが勇者か？俺は聖剣士のロン。七つの大罪の怠惰の契約者だ。ここに居る者達全員が七つの大罪の契約者だ。偶然、聖者達の力を持った者が今回生まれて勇者と魔生王を倒す為に集まったんだ」
「え！そうなんですか！なら、これからよろしく頼みます」
聖者達は勇者と同じくらい生まれ無いが偶然この時代にみんな集まったのだ。
これからの事を話す為にこの場所にこの者達を集めた。
「皆様、今日は皆様が旅立つ為の祝いのパーティーをいたしますので、それまでこの場所でゆっくり休んでいて下さい。では私はこれで」
「待って下さい！」
出て行こうとした私を勇者が引き留めた。
(ちっ、一体なんの用だ？)
「何故、憤怒様をここにお呼びしないのですか？」
「ッ！」
「なんだと？おい人間、、、勇者、憤怒がここに居るのか？」
「えっと？」
「オレは暴食だ。それよりさっきの質問に答えろ」
「はい、オレは憤怒様を召喚する儀式の時にその場に居ました。憤怒様が現れる前にそこから連れ出されましたが」
「つまりここに憤怒が居るということだな？」
「はい」
「どういう事だ？人間」
私はある失敗をしていた事を思い出した。
(クソ！そうだこのガキ(勇者)を憤怒の召喚の時に連れて来ていたんだった！どういう言い訳を、、、そうだ)
私はある事を思い付き話し出した。
召喚の儀式で憤怒様を召喚した後、あの部屋から連れ出されたオレは自分でも珍しく思うくらいに苛立っていた。
あの部屋に居た布を被った子が忘れられず、早くあの部屋に戻りたくてここの大臣と話している。
「早くあの部屋に戻って憤怒様をお迎えしないとならないでしょう？」
「いえ、勇者様あの部屋にはもう少ししてから行きましょう。憤怒様のお怒りが無くなるまでもう少しかかるでしょうから」
「なら、あの部屋に居た布を被った子は？何故あの部屋に置いて行ったのですか？」
「アレは憤怒様を鎮める為に居る者です。ですので、あの部屋に置いているのです」
「憤怒様の怒りがあの子に向かったらどうするつもりですか？」
「大丈夫です。アレはその為に居る者ですから」
「ッ、、、、」
この男はオレがナニを言っても、オレをあの部屋に行かせない気だ。
何を言っても気持ち悪い笑顔でとぼけるので何を言っても意味が無い。
勝手に行こうとしても色々な理由をつけてオレをあの場所へ行かさない様にしている。
(、、、このくそジジイ！、、、あの子が忘れられない。何故あの子はあそこに居たんだ？もう一度会いたい、、、)
「もう一度儀式をいたしますので準備が出来るまで勇者様は部屋でお休み下さい。準備が出来次第お呼びしますので。おい！勇者様を部屋に送り届けろ！」
「、、は、はい。勇者様、こちらです」
とても怯えている女の人は震えながらオレを部屋に案内しようとしていた。
オレを送り届けないとあの大臣にかなり辛いやり方で叱られるのだろう。
オレは案内をする女の人におとなしく着いて行った。
「此方が勇者様のお部屋です」
「ああ、案内ありがとう」
「い、いえ！、、、それでは失礼します」
オレは部屋に入るとそのままベッドに腰を下ろした。
「、、、はぁ」
ため息をついて肩の力を抜いて、さっきまでの事を考えた。
(良かった、さっき一緒に居た女の人達は居ないみたいだ。儀式の時に何故か大臣が紹介してきてからベタベタして来る子達だったけど誰だったのかな？それより儀式って回復者を召喚する儀式かな？、、、、はぁ、、、オレおかしくなったのかな？あの部屋に居たあの子の事が忘れられない。もう一度会いたい。会いたくって仕方ないんだよな、、、何でこんなに会いたいんだろ？)
“コンコン”
「勇者様、儀式の準備が整いましたのでお迎えに参りました」
「分かりました、直ぐ行きます」
その後もずっと頭の中で布を被った子が離れなかった。
憤怒視点
撫子と話していたその時、かなり近くで何かを召喚する儀式をする気配を感じた。
(何の儀式だ？、、、私達兄弟を召喚する時と同じ感じがする？、、、、まさか！)
「撫子、少し聞きたい事がある」
「なに？」
「勇者以外ここに居た奴らは私を喚び出した後、どんな感じで逃げた？」
「どんなって、、、ん？そういえば、かなり怯えていたけどみんな冷静に出て行った様な？、、、そう、確かにみんな怯えてたけど冷静に、素早く、この部屋から出て行ったよ。勇者さんを連れて行く時も結構冷静だったし」
「そうか、、、やはりな」
「憤怒？」
「いや、 もしかしたら、、、これは、、もしかしたのではないな、絶対になったみたいだな」
「どういう事？」
撫子に説明しようとした時、この部屋を中心にしてぐるりと囲む人の気配がした。
私達を囲む者達は魔力を発してある魔法を使おうとしているのが分かった。
(撫子の言うくそジジイは本当にくそジジイみたいだな。、、、時間が無いか)
「撫子、時間が無いから後で説明するのでこっちに来て私に捕まれ」
「え？う、うん、分かった」
撫子を抱き締め、私のかろうじて動く太ももに撫子を座らせる。
(どうやらくそジジイと言う者は、わざと私を喚び出したみたいだな、、私を封印する為に)
大臣視点
ある者を喚ぶ儀式を始めながら私は口元がニヤけるのを止める事が出来なかった。
(今頃は憤怒を封印する為に向こうも動いてるだろう)
「おお！黒にも見える紫色！やはりお越しいただけるか！」
「え！、、、何故？憤怒様がいるでしょう？何故、他の、しかもあの方を？」
「勇者様、憤怒様では皆に畏れられ下手すると気絶する者も現れるでしょう。ですから、憤怒様にはお還りする様にしていただいて他の方を勇者様の契約者になっていただける様にしようと思いまして」
「ですが、、、この色は」
「ええ、勇者様と相性が良い方をお喚びしているのですが、まさかあの方なんて私も驚いています」
「なら、あの子は、、」
勇者が何か言おうとしていたが、それよりも魔方陣の中のぎゅうぎゅうにある宝が黒にも見える深い紫色に包まれ人形になり始めた。
「来た！」
「、、、、私を喚び出したのは誰だ？」
「私です！魔王様！」
私は勇者の契約者にするモノに、魔王を喚び出す事に成功した。
魔王の姿がだんだん見える様になってきたので魔王の方を見ると私は固まってしまった。
「あ、う、美しい、、、」
「、、、お前が勇者か？」
「え？、、はい！オレが勇者のセイです！」
「そうか、、、七つの大罪ではなく私を喚び出すとはな。だが魔生王を倒す為だ私がお前の契約者になろう、セイ」
「はい、魔王様！」
私が魔王の美貌に見とれているうちに勇者と魔王の間に契約が成された。
(ハハハ、こんなに上手くいくとは！もう憤怒は封印されているはずだ！これから勇者にあの者達を紹介しなければ)
「勇者様、魔王様、あなた方に紹介したい者達が居りますので此方に入らして下さいますか？」
「、、、分かりました」
「良いだろう」
私は二人をある部屋に案内する為に城に向かった。
城の少し奥の方にある王族専用の部屋まで来てその部屋をノックする。
“コンコン”
「入ります」
“ガチャ”
「皆様方、勇者様方をお連れしました」
その部屋に居た六人の男女が私の方を見た。
勇者と魔王が部屋に入った瞬間、美しい美貌を持つ六人が急に部屋の中に現れた。
(これは、、なんと美しい、、)
「魔王？お前が喚び出されたのか？憤怒ではなくお前が？」
「七つの大罪で残っているのは憤怒のはず、、、何故、魔王が？」
「憤怒はまだ魔界に居るのか？」
「それなら早く還らないと！」
「何故、魔王なんだ！」
「直ぐに魔界に還れないってのに！」
「何故お前達(七つの大罪)がここに？七つの大罪の憤怒以外の者が喚び出されたというのか？」
七つの大罪の者達と魔王が驚きながら話し出した。
そう、ここに居るのは憤怒以外の七つの大罪とその契約者だ。
(ここまで、ここまで上手くいくとは！ハハハ！これで私の地位は揺るぎ無いものになった！)
「あの、、、皆さん方は一体？」
「あんたが勇者か？俺は聖剣士のロン。七つの大罪の怠惰の契約者だ。ここに居る者達全員が七つの大罪の契約者だ。偶然、聖者達の力を持った者が今回生まれて勇者と魔生王を倒す為に集まったんだ」
「え！そうなんですか！なら、これからよろしく頼みます」
聖者達は勇者と同じくらい生まれ無いが偶然この時代にみんな集まったのだ。
これからの事を話す為にこの場所にこの者達を集めた。
「皆様、今日は皆様が旅立つ為の祝いのパーティーをいたしますので、それまでこの場所でゆっくり休んでいて下さい。では私はこれで」
「待って下さい！」
出て行こうとした私を勇者が引き留めた。
(ちっ、一体なんの用だ？)
「何故、憤怒様をここにお呼びしないのですか？」
「ッ！」
「なんだと？おい人間、、、勇者、憤怒がここに居るのか？」
「えっと？」
「オレは暴食だ。それよりさっきの質問に答えろ」
「はい、オレは憤怒様を召喚する儀式の時にその場に居ました。憤怒様が現れる前にそこから連れ出されましたが」
「つまりここに憤怒が居るということだな？」
「はい」
「どういう事だ？人間」
私はある失敗をしていた事を思い出した。
(クソ！そうだこのガキ(勇者)を憤怒の召喚の時に連れて来ていたんだった！どういう言い訳を、、、そうだ)
私はある事を思い付き話し出した。
