密かに出産するはずが、迎えにきた御曹司に情熱愛で囲い落とされました
そうしながらも抱き寄せられ、体は密着し、陶酔しそうな頭で私は透真さんの動きに委ねるのが精一杯。
何度も何度も角度を変えて繰り返される口づけは、立っていられないほど気持ちいい。

「んっ、ふ……」

息が苦しくて酸欠状態。足から順番に体の力が抜けそうになる。

チュッと音を立て唇を離すと、切なげな眼差しの透真さんに見つめられた。

「一緒に寝たいなんて、大胆なことを言ってくれると思わなかった」

優しい仕草で頬をなでられる間、私は小さく肩で息をして呼吸を整える。

鼓動はなかなか言うことを聞いてくれなかった。全速力の後よりもドキドキして、顔から火が出そうだ。

「私、三ヶ月間透真さんと一緒に過ごして、甘えるのが好きになってしまったんです」

逡巡しながら声を振り絞る。
恥ずかしくて、きっと頬は真っ赤だと思う。

「かわいいこと言うと、見境つかなくなりそうだ」
「へっ……?」
「俺の部屋に行こう」

掴んだ手首をやや強引に引かれ、透真さんの寝室に連れていかれる。

掃除のために許可を取って、何度か入ったことはある。家具はデスクとベッド、あとは仕事の資料が山積みになった、透真さんの香りであふれる部屋。

覚束ない足取りで入室した私は、促されるままベッドに座った。

「わ、私その、あまり経験がなくて」

心臓にマイクでも付いているのかと思うくらい、大きな心音だ。

「そうかと思った。だからあの夜、無理させたんじゃないか不安だった」

落ち着いた声で言いながら、透真さんは私が羽織っているシャツのボタンをはずしていく。
キャミソール一枚になると、透真さんはたくし上げた裾からするりと手を侵入させた。

「触っていい?」

答える前にブラを上にずらし、胸の膨らみを手のひらで包み込まれて私は困惑する。

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