密かに出産するはずが、迎えにきた御曹司に情熱愛で囲い落とされました
「あ、の、シャワーは?」

初めての夜は酔っていたしそこまで気が回らなかったけれど、素面の今はすごく気になる。

心細い声量で発すると、透真さんは私の耳やその後ろ、うなじと首筋にキスをして、舌を這わせた。

「浴びたい?」

胸を揉みしだかれる刺激と、くすぐったい耳もとに吐息がかかり、私は力なくうなずく。

「俺は、離したくない」

子どものわがままみたいに言って、両腕でギュッと私の体を抱きしめたと思ったら、周到にベッドに組み敷いた。

瞬く間に押し倒された私は、目をぱちくりとしばたたかせる。真上から見下ろす透真さんから体の隅々に、キスの嵐が降ってくる。

「で、でもっ」
「わかった。じゃあ後で一緒にお風呂に入ろう」
「っ!」

くちゅっと口で胸を愛撫しながら手を下半身に伸ばし、淡々と言う透真さんに、私は太ももを力ませてささやかに抵抗した。

一緒にだなんて無理無理無理……!冗談だよね?

心の中でそう呪文みたいに唱えているすきに、透真さんは私のズボンを下ろした。

長い指が、太ももをすりすりとなでる。
くすぐったくて、もどかしい。観念して太ももを弛緩させると、下着の上から指で触れられ、湿っているのがバレてしまう。

下着も脱がされ、直接指を動かされると、いやらしい水音が耳に届いた。

「あっ」
「顔、隠すなよ」

際限のない羞恥と快楽に、恥ずかしくて顔を覆い隠す私の手を造作なく払うと、透真さんは口もとに余裕の笑みをたたえ私を見下ろす。

「は、恥ずかしいです……っ」

さっきから心臓は狂ったようにバクバクしているし、顔が熱くてのぼせたようで、気が遠くなりそうだった。

「もう止めるなんて無理だ。我慢できない」

わざと耳もとで囁いた透真さんの低い声が、私の脳に響き渡る。

「きみに欲情してる」

そして色情を帯びた目で私を射貫く。
透真さんが体勢を変えると、両足の間の固いものが私の太ももに擦れ、ゾクッとした。

「きみがかわいすぎるから早く俺のものにしたくて、気持ちを抑えられないんだ」
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