密かに出産するはずが、迎えにきた御曹司に情熱愛で囲い落とされました
鬱陶しそうに着ていたカットソーを脱ぐと、透真さんの上半身があらわになる。肩も腕も腹も、筋肉がほどよく隆々としていた。

「あっ、んんっ」

下半身と一緒に胸の先端を甘く食まれ、体が弓なりにそり返る。

さっきから、初めてシーツに滴るほど濡れた場所がもどかしくて疼く。腰が勝手に動くのを、自分では制御できない。

早く触ってほしくて焦れったいなんて、自分が自分じゃないみたいだ。

「甘くていい匂いがする」

透真さんがスン、と鼻先を私の太ももに擦りつける。薄っすらと開いた目に見えるその表情は、色気を濃く宿していた。

「うっ! んっ」

長い指が私の中に入ってきて、同時に敏感な部分を舌が這う。初めての刺激に変な声が出て、とっさに口もとを手で抑えると、器用な透真さんにすかさず取り払われた。

「かわいい声、もっと聞かせて」
「ああっ、ん!」

そんなことをしても透真さんから見えなくなるはずはないのに、堪らずに私は目を強くつむった。ぼんやりとした頭の中で、チカチカと星が光ったり消えたりする。

背中をゾクゾクと快感が走り、両足に力がこもる。びくりと体を震わせ達すると、透真さんの色っぽい目が私を捉えていた。

舌や指でほぐされやわらかくなった部分に、透真さん自身が入ってくる。

「春香」

苦しそうな声で初めて呼び捨てにされ、指を絡めて繋いだ。
途方もない幸せを感じて、現実じゃないみたいだった。

「動くから、体キツかったら言って」

ギシ、っとベッドが軋む。

「好きに、動いてください」

体内への圧迫感を堪え、私は声を振り絞った。

「透真さんにも、気持ちよくなってほしいです……」
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