密かに出産するはずが、迎えにきた御曹司に情熱愛で囲い落とされました
それから季節は夏へと移り変わり、残暑厳しい時期には臨月に入って、お腹がぐんと重くなった。
性別は女の子と判り、出産の準備も着々と進んでいる。
初孫を楽しみにしている透真さんのご両親からは早速ベビーベッドなどの育児用品や、女の子用のかわいらしい衣類などが段ボールで毎日のようにたくさん届く。
もうすぐ我が子に会える楽しみな気持ちと、初めての出産に対する不安な感情が波のように交互に押し寄せてきていた。
そんな折り、玲子さんから連絡があった。
長文のメールには、会社を辞めたこと、赤ちゃんが生まれたらぜひ直接会って謝罪したい、という内容が丁寧に記されていた。
後に正式に謝罪してきた百瀬夫妻から聞いたのだけど、会社では玲子さんによる社割品転売が問題になり、社則に則り退職したのだそうだ。
玲子さんがありもしない不倫の噂を流した張本人だとわかったときはすごくショックで、立ち直れないのではないかと落ち込んだ。
けれど、気づけばいつも隣に透真さんが寄り添ってくれた。
私の心が浮上するよう優しく声をかけたり、抱きしめてくれたり、ときにはふたりでキッチンに立ち、気分転換に石橋仕出し店の思い出の料理をした。
その温かい時間が薬となって心が浄化され、なんとか過ぎた件として受け止められるようになったけれど、正直まだ玲子さんに会う気持ちにはなれないでいる。
それに、赤ちゃんが生まれたらきっと目まぐるしい日々が始まるだろう。
時間が取れるかわからない、と正直にメールを返すと、落ち着くまで待っていると返信があった。
いつか心の整理がついたら、しっかり向き合おうと心に決めた。
透真さんにこの件を伝えると、仕事仕様のクールな表情で受け流していたけれど、もしかしたらなにか口添えしてくれたのではないだろうか。
『大丈夫だ。なにがあっても俺が守る』
弁護士として、夫として、私を守り寄り添ってくれる。
透真さんの頼りがいのある真摯な人柄に、何度でも飽きることなく惚れ直してしまう。
性別は女の子と判り、出産の準備も着々と進んでいる。
初孫を楽しみにしている透真さんのご両親からは早速ベビーベッドなどの育児用品や、女の子用のかわいらしい衣類などが段ボールで毎日のようにたくさん届く。
もうすぐ我が子に会える楽しみな気持ちと、初めての出産に対する不安な感情が波のように交互に押し寄せてきていた。
そんな折り、玲子さんから連絡があった。
長文のメールには、会社を辞めたこと、赤ちゃんが生まれたらぜひ直接会って謝罪したい、という内容が丁寧に記されていた。
後に正式に謝罪してきた百瀬夫妻から聞いたのだけど、会社では玲子さんによる社割品転売が問題になり、社則に則り退職したのだそうだ。
玲子さんがありもしない不倫の噂を流した張本人だとわかったときはすごくショックで、立ち直れないのではないかと落ち込んだ。
けれど、気づけばいつも隣に透真さんが寄り添ってくれた。
私の心が浮上するよう優しく声をかけたり、抱きしめてくれたり、ときにはふたりでキッチンに立ち、気分転換に石橋仕出し店の思い出の料理をした。
その温かい時間が薬となって心が浄化され、なんとか過ぎた件として受け止められるようになったけれど、正直まだ玲子さんに会う気持ちにはなれないでいる。
それに、赤ちゃんが生まれたらきっと目まぐるしい日々が始まるだろう。
時間が取れるかわからない、と正直にメールを返すと、落ち着くまで待っていると返信があった。
いつか心の整理がついたら、しっかり向き合おうと心に決めた。
透真さんにこの件を伝えると、仕事仕様のクールな表情で受け流していたけれど、もしかしたらなにか口添えしてくれたのではないだろうか。
『大丈夫だ。なにがあっても俺が守る』
弁護士として、夫として、私を守り寄り添ってくれる。
透真さんの頼りがいのある真摯な人柄に、何度でも飽きることなく惚れ直してしまう。