キケンな四兄弟

出て行った?! あいつ!!
あーあ…隼人に呆れられたかな…あたしずっと隼人の前で泣いてるから…。
あたしはそんな事を考えながら再び空を見つめる。
「はぁーあ…あたしって馬鹿だなぁ…」
あたしは一人で空に向かってそう呟いた。

「本当そーだよな」
すると返答が来たので、慌てて起き上がる。
「あ…っれ、隼人? 何でここにいんの?」
「慰めろっつったんはお前だろ」
隼人はそう言いながらあたしの隣に缶ジュースを一本、コツン、と置く。
「…どーも」
あたしは缶ジュースを手に取り、パキンと蓋を開ける。

「俺、兄貴に言った」
隼人がジュースを飲む。
「えっ?」
「だから、『何で別れたのか、自分の気持ちはっきりしろ』って」
あたしは隼人の横顔を眺める。
「あたしも詩織さんに言ったよ…詩織さん、陸人さんの事好きなんだって! …あはは、失恋したよ、隼人」
あたしは苦笑いでそう言った。


< 100 / 243 >

この作品をシェア

pagetop