キケンな四兄弟
すると隼人は少し笑った。
「あーあ…じゃお前も失恋だな」
「えっ!?」
「兄貴も…同じ事言ってた。兄貴が別れたのは…詩織が自分のせいで女子からやっかまれてんのが…耐えられなかったらしい」
「…そっか…良かったじゃん! あの二人両想いで! …ヘコむな、隼人くんっ!」
また作り笑いして言うあたし。
そんなあたしを隼人は、眉間に皺を寄せて見てる。
「…無理してんじゃねーよ…顔ひきつってんぞ」
「みっ…見ないでよっ! 無理とかしてないし!」
「あっそ」
「うんそう!! じゃ、あたし授業戻るからっ!」
あたしは屋上のドアを乱暴に開けて、勢いよく階段を駆け下りる。
なぜか息が荒い。
…それは走ったから。
顔も熱い。
…それも、走ったから…。