キケンな四兄弟
…でも、自分の場所を探してみるものの、ハチマキは見つからない。
やばいよ…どうしよう…。
もうすぐ競技始まっちゃうよ…。
「あれ…? 舞香ちゃん? こんなとこで何やってるの?」
背後から声をかけられて、振り向くとそこには隼人と詩織さん。
何でこの二人…??
あ、競技が一緒だからか。
…と一瞬安心している自分が居たような気がした。
「お前の事だからどうせハチマキか何か失くしたんだろ?」
隼人が呆れたように言う。
「…何で知ってんのよ」
「はっ? マジかよ! もう時間ねーんじゃねぇの!?」
「だからこうやって一生懸命探してるんじゃんかぁ~…」
あたしは最早半泣きになりながら言う。
「どうするの舞香ちゃん? 違うの貰って来る?」
「舞香ちゃんっ! ハチマキあった!?」
詩織さんが話している途中、陸人さんが駆け寄ってくる。
詩織さんがいる事にはまだ気付いてないみたい。