キケンな四兄弟

「本当すぐ拗ねるよな」
呆れたように隼人が言う。
「だーかーら! 放っといてって言ってるでしょっ」
『ピンポンパンポーン♪』
あたしの言葉に重なり、放送のチャイムが鳴る。
「あ、放送だ…呼び出しかな?」
『えー、パン食い競争に出場する生徒は速やかに入場門前に集合してください』
えぇ!?
「ねぇ隼人…詩織さんが二人三脚に出たって事は…あたしがパン食い競争に出…」
「…そーなるな」
「…まじですかー!?」
どうしようあたし…練習もしてないのに。しかも、リレー形式だから足遅いの分かっちゃうじゃん!!
「どうしよ…二人三脚は陸人さんが引っ張ってくれたからまだしも…リレーでしょ? それにパン食いも加わるわけで…??」
あたしは絶望的な声を漏らす。
その声に隼人は少し考えて、眉間に皺を寄せる。



< 108 / 243 >

この作品をシェア

pagetop