キケンな四兄弟

「あっ舞姉~」
奥のドアから海人くんが出て来た。
「舞姉、エプロンかわい~ねぇ」
海人くんがあたしのエプロンの裾をつかみながら言う。
「ん~? ありがとっ」
あたしが笑顔で言うと、海人くんもニッコリ笑う。
可愛い。
「あーっ舞香ちゃん、エプロン超かわーっ!」
…次は優人さんが出てきた。
「ありがとうございますっ」
あたしはまた笑顔で返す。
「もう俺惚れちゃうよーっ??」
優人さんがふざけて言う。
「もう、優人さんには彼女いるでしょ?」
「いないよー別れたっ」
サラリと言う優人さん。
「えー…もうですかっ!?」
「うんっ☆」
「………」

こんな感じで、あたしはこの家にも少しずつ慣れてきた。
…未だに変わらない事もあるけど。

「おーっただいま……舞香、何ソレ、コスプレかよ」
ムッ
広瀬隼人ォォ!!!
「…エプロンだよっ! 見て分かんないの?」
「…冗談だろっ! 何ムキになってんだよ」
「なってませんよっ」

こればっかりは…、数日経った今でも、変わらない。
変わったのは、同級生ってこともあって、お互い名前で呼ぶようになったこと。

でも…本当嫌な奴なんだから…っ!!



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