キケンな四兄弟

「じっじゃあ、あたしコンビニ行って来ますんでっ!」
そう言い残すととっさに反対方向を向いて、歩こうとするあたし。
くんっ
でも、引っ張られる感覚がして、あたしは前に進まなかった。
「ゆ、優人さんっ! か…髪、引っ張らないで下さいよっ!」
優人さんがあたしの髪の毛を引いていたからだった。
「ごめんっ♪ てかさ、夜道一人じゃ危ないでしょ? 俺も付いてくーっ」
「………まだ夕方じゃないですか」
「だーめっ! 舞香ちゃんは可愛いからすーぐナンパされちゃうもん」
「いやっ…そんなことないですから大丈夫ですっ」
「舞香ちゃんは可愛いよ? まぁ第一、俺が舞香ちゃんに着いてたいだけなんだけどね♪」
のんきな笑顔で言う優人さんに、あたしは呆れながら言う。
「…分かりました」

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