キケンな四兄弟

「…何で兄貴と一緒に居たんだよ?」
少し薄暗い階段を隼人と降りていると、無言の中、隼人が口を開いた。
「え…? 別に…偶然優人さんが屋上来ただけだよ?」
何でだろう、と不思議に思いながら答える。
「な…なんもされなかっただろぉな!?」
突然、大声を出した隼人に驚いてそっちを見ると、薄暗い中に、少し怒ったような隼人の顔が見えた。
「えっ? 別に何もされなかったけど…?」
「…そーか…、ならいーけど」
バツが悪そうに、少し俯きながら言う隼人。
「ていうか…何でそういうこと聞くの?」
あたしが聞くと、隼人は機嫌が悪そうにこっちを向く。

「彼氏じゃねー男の前で無防備になんのやめろっつってんだよ」
少しだるそうに、呆れたように言う隼人に、あたしの疑問は余計増える。
なんで優人さんとおんなじ事言ってんだろ?
「何でみんなそれ言うんだろ? さっき優人さんにも言われたし」

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