キケンな四兄弟
次の日も、あたしは晩御飯を食べ終わってから、メニューを必死に覚えていた。
そして今日も、陸人さんがケーキを差し入れてくれた。
「じゃーん」
「あ、ガトーショコラですね! ありがとうございます!」
「だいぶん覚えてきたね! 頑張ってるね」
「はいっ、早くお役に立ちたいし!」
陸人さんのいつもの王子スマイルが、キラキラと輝く。
その度にあたしは目をそらせてしまう。
だって直視したらやばいんだもん!
「じゃあ、ケーキはもう大丈夫だよね? 明日から、ドリンクの作り方、教えていいかな?」
ケーキを食べている途中、陸人さんが話しはじめた。
あたしはケーキを口に含んだまま「え?」という顔をする。
「ごほっ…、えっと、教えるって…?? 陸人さんじきじきに!?」
あたしは急いでケーキを飲み込んで、陸人さんに聞く。
「“じきじきに??”って、ドリンク俺しか分からないんだもん」
陸人さんは自分を指差しながら、少し困ったように笑った。
陸人さん…から直接!!
教えてもらえるんだ!!
「じゃあ、明日からお願いします!」
あたしは勢いよく言った。
「やる気満々だね! 明日キッチン使うから、ここ来といてね!」
「はいっ」
あたしは無意識にいきいきとした笑顔になっていた。