キケンな四兄弟

「あ、優人さん。あたしの勉強道具知りませんか??」
あたしが聞くと、優人さんはしばらく考えて、思い出したように「あっ」と言った。

「あ~、多分それなら俺の部屋にあるよ! 母さんが『無くしちゃうからアンタが管理してなさい』って言って…もしかして、探してた??」

「はい、明日小テストなんで」

「えー、そうなの!? じゃ、俺の部屋使っていーよ? あ、良かったら勉強教えてあげよっか? …俺、こー見えて結構成績いいんだから♪」
得意げに自分を指差して言う優人さん。
失礼だけど、成績がいいのに少し驚いたあたし。

「何の教科が分かんないの?」

「えと、数学です」

「おっけーい! 任せて! ホラホラ、そうと決まればビシビシ教えるよ!」

「は、はいっ!?」
やる気満々の優人さん。
ちゃんと教えてくれるのか不安になりながらも、背中を押されるまま優人さんの部屋に入る。

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