キケンな四兄弟
あたしはウキウキ気分で自分の部屋に帰った。
その途中、背中から声をかけられた。
「お前、ずいぶん浮かれてんな」
隼人だった。
何でこんなトコにいんのよー??
…まぁ、部屋が隣だからだけど…。
「別に! 浮かれてないよっ」
あたしは隼人と反対の方向を向いて言った。
「お前…兄貴の事好きなんだろ?」
「…なっ!?」
あたしは勢いよく隼人の方に向き直る。
「そ…そんな事ないよ!? なんていうか…憧れ、だけだし!」
あたしは必死に否定する。
そんなあたしを見て隼人はフッと笑った。
…わ、笑った…??
「な、何笑ってんのよ!?」
「ハハッ、だってお前、分かりやすすぎんだよ!」
隼人は目を細めて少し笑っている。
「な…!! 何よ!?」
「…はぁ、でもまぁ、兄貴はやめとけ」
そう言った隼人にはさっきの笑顔はカケラも無かった。