キケンな四兄弟
ダッ
無意識に体が動いた。
兄貴の部屋のドアを乱暴に開けて、中にずかずかと入っていった。
「な、隼人!? 何怒ってんの!?」
「…るせー」
動揺する舞香の腕を掴んで、引っ張って行く。
部屋から出て、廊下に立っていた兄貴を横目で睨んだ。
兄貴は、クスリと笑った気がした。
その顔を見た俺は、余計に熱くなる。
ガチャン!
気がついたときには、俺の部屋に舞香が呆然として立っていた。
アホ面…。
「あ…隼人? …手、痛いんだけど」
舞香の言葉で、俺は慌てて掴んでいた舞香の腕を離す。
お、俺…何した!?
今、こいつに何した!?
「悪り…」
とりあえず小さい声で謝ると、舞香も小さく頷いた。
俺もこいつもワケが分からず、部屋はシーンと静まり返ってしまった。