キケンな四兄弟
「な…分かんないのはこっちだよ…」
少し呆れながら言うと、隼人は立ち上がって、部屋のクローゼットから布団を引っ張り出した。
それをあたしは呆然とした視線で見つめた。
「おら、俺床で寝るから…お前ここ使っていーから。これなら文句ねーだろ」
そう言って隼人は、さっき取り出した布団を地面に敷いて、横たわった。
「え…でも…」
別に床で寝るのが嫌だったワケじゃないけど…さ??
なんか…変に緊張しちゃう。
「ここ隼人の部屋だし、隼人がベッドで寝なよ」
「あぁん?? 俺がいいっつってんだからいんだよ!」
「駄目だよ! 床で寝たら首筋痛めるよ?」
ガラにもなく遠慮(?)する隼人のジャージを、あたしは軽くつまんで引っ張る。
けど、隼人は動こうとしない。
「それはお前も同じだろーがっ」
「いやいや! ほんといいんだってば! あたし、居候の分際だしっ」
あたしがそう言うと、隼人は急に黙り込んだ。