キケンな四兄弟

「ん…?? 何、隼人。もしかして、ヤキモチ?? くすっ、ガキだね」

「や、や、や、ヤキモチッ!?」
あたしは隼人に腕を掴まれたまま言う優人さんを、まじまじ見つめる。
ヤキモチとは、好きな人に妬くものでは無いのか!?

…それは絶対ないけど……二人の間にはバチバチと火花が散って見える。
な、なんだこの空気!?
でも、あたしを取り合って…とか、は確実に有り得ないだろう。
けれども…何なんだこの空気は…!?
まるであたしは火事と津波に挟まれたか弱い蝶のようだ…って、こんな可愛いものじゃないか、あたしなんて。

「バカ兄貴!! 俺がこんな奴にヤキモチなんか妬くワケねーだろ!! バーカバーカ!!」
いつも以上にムキになる隼人。
めちゃくちゃ子供みたい。

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